退職金の受領を機会に、自分の資産が一気に増えたなんて人もいるでしょう。
増えた資産の保存先として、一般的に考えられるのは銀行預金ですよね。
銀行での預金は、5000万円を預けておく先として正しいのか?と疑問に思う人はいるでしょうか?
実は安全だと思っている銀行貯金は、5000万円以上ある人にはリスクがあります。
今回は、
・5000万円でできる投資方法はどんなものか?
上記の疑問を解決していきます。
貯金5000万円を資産運用すべき理由
「5000万円あったら資産運用は必要ないのではないか?」
「5000万円もあるのに、わざわざ危険な資産運用をする必要はあるだろうか?」
と思う人もいるでしょう。
もちろん大切な5000万円を投資に充てるのは、リスクがあり可能ならば避けたいと思うかもしれません。
5000万円を資産運用する理由を明確にすると、投資への関心や意欲が高まるでしょう。
5000万円を資産運用に充てる理由としては、以下の3つがあげられます。
- 老後の必要な資金の確保
- 富裕層になれる
- 銀行預金はリスクがある
それぞれ詳しく見ていきましょう。
老後の必要な資金の確保
老後2000万円問題として話題になったように、老後の必要な資金を補うためには、貯金額が2000万円は必要であることが政府により発表されました。
5000万円ある人は、「貯金2000万円なら余裕じゃん」と思ったのではないでしょうか?
実は老後2000万円問題には、2つの落とし穴があります。
まず1つ目は老後2000万円問題は、生きていくために最低限必要な資金です。
つまり老後に孫と食事を楽しむことや、万が一のケガや入院費は含まれていません。
また厚生労働省によると、2023年の4月から年金の受領額が0.4%減額すると発表されました。
年金の受領額は年々減少傾向にあり、今後も減少されることが予想されます。
年金の受領額が減少することにより、老後に必要な貯金額は2000万円より増えていくでしょう。
2つ目は、インフレの影響です。
インフレとは、モノの値段が上がりお金の価値が下がることを言います。
例えば100円で買えていたリンゴが、インフレの影響を受けると120円出さないと買えなくなるということです。
以下の図を見ても分かるように、インフレ率は2022年1月時点で2%を超えました。
引用元:総務省
インフレ率が2%を超えたのは、消費税引き上げの影響を受けた2014年を除けば、1992年の30年ぶりだといいます。
貯金5000万円ある人もインフレの影響を受けると、5000万円の価値が4000万円ほどしかなくなってしまうかもしれません。
老後の必要な資産を確保するためにも、資産運用は必要といえるでしょう。
富裕層になれる
貯金5000万円ある人は、準富裕層と呼ばれています。
準富裕層は全体の6%しかおらず、すでに貴重な存在です。
更に貯金額を1億円まで増やせると、富裕層になれます。
貯金額1億円(富裕層)は、全体の2.5%しかいません。
準富裕層から富裕層になると、更に貴重な存在になれるでしょう。
実は貯金額が多ければ多いほど、資産運用には有利で短期間で資産を増やすことが可能になります。
以下では貯金5000万円で行う資産運用法も紹介していますので、併せてお読みください。
銀行預金はリスクがある
5000万円を資産運用に回した方が良い理由は、銀行貯金のリスクがあるからです。
皆さんは、ペイオフという制度を知っていますか?
ペイオフとは万が一、銀行が倒産しても1000万円以下とその利子が保証される制度です。
つまり銀行に5000万円預けていて、銀行が倒産してしまった場合は、4000万円を損をすることになります。
しかし銀行が倒産するなんて、ありえないと思っている人もいるでしょう。
最近では、アメリカの大手銀行が倒産してしまいましたね。
銀行に預けていても絶対に大丈夫ということはありません。
また銀行の金利は0.001%です。
銀行に預けていて利子でお金が増やせていた50年前とは違い、利子ではお金が増やせなくなりました。
つまり5000万円は資産運用を行い積極的にお金を増やしていく方が、リスク管理になるというわけです。
貯金5000万円で生活できる?
5000万円あったら、どのくらいの期間生活できるのかをシミュレーションをしてみました。
総務省統計局によると、夫婦2人暮らしの1年間の生活費は、300万円と言われています。
貯金5000万円を切り崩して生活した場合
投資金 | 時間(年) | 生活費(年) |
¥50,000,000 | 1 | ¥3,000,000(1カ月25万) |
¥47,000,000 | 2 | |
¥44,000,000 | 3 | |
¥41,000,000 | 4 | |
¥38,000,000 | 5 | |
¥35,000,000 | 6 | |
¥32,000,000 | 7 | |
¥29,000,000 | 8 | |
¥26,000,000 | 9 | |
¥23,000,000 | 10 | |
¥20,000,000 | 11 | |
¥17,000,000 | 12 | |
¥14,000,000 | 13 | |
¥11,000,000 | 14 | |
¥8,000,000 | 15 | |
¥5,000,000 | 16 | |
¥2,000,000 | 17 | |
-¥1,000,000 | 18 |
上記の図を見てもわかるように、仕事をせずに5000万円を使い続けた場合は、どんどん資金が減っていくことがわかります。
18年も使い続けたら、5000万円あった貯金も底をついてしまいますね。
年利4%で資産運用しながら生活した場合
次に、5000万円を資産運用した場合のシミュレーションを見ていきましょう。
投資金 | 時間(年) | 金利率 | 金利金(年) | 金利金(月) |
¥50,000,000 | 1 | 4% | ¥2,000,000 | ¥166,667 |
¥52,000,000 | 2 | 4% | ¥2,080,000 | ¥173,333 |
¥54,080,000 | 3 | 4% | ¥2,163,200 | ¥180,267 |
¥56,243,200 | 4 | 4% | ¥2,249,728 | ¥187,477 |
¥58,492,928 | 5 | 4% | ¥2,339,717 | ¥194,976 |
¥60,832,645 | 6 | 4% | ¥2,433,306 | ¥202,775 |
¥63,265,951 | 7 | 4% | ¥2,530,638 | ¥210,887 |
¥68,428,453 | 8 | 4% | ¥2,631,864 | ¥219,322 |
¥71,165,591 | 9 | 4% | ¥2,737,138 | ¥228,095 |
¥74,012,214 | 10 | 4% | ¥2,846,624 | ¥237,219 |
¥76,972,703 | 11 | 4% | ¥2,960,489 | ¥246,707 |
¥76,972,703 | 12 | 4% | ¥3,078,908 | ¥256,576 |
¥80,051,611 | 13 | 4% | ¥3,202,064 | ¥266,839 |
¥83,253,675 | 14 | 4% | ¥3,330,147 | ¥277,512 |
¥86,583,822 | 15 | 4% | ¥3,463,353 | ¥288,613 |
¥90,047,175 | 16 | 4% | ¥3,601,887 | ¥300,157 |
¥93,649,062 | 17 | 4% | ¥3,745,962 | ¥312,164 |
¥97,395,025 | 18 | 4% | ¥3,895,801 | ¥324,650 |
5000万円を資産運用し始めて11年目には、1年間で約290万円ほど増やせます。
また、12年後には資産運用で増えた資金(300万円)だけを切り崩しながら生活ができそうです。
資産運用は資産を効率的に増やしていくためにも、積極的に行っていきたいですね。
5000万円を資産運用だけで生活するとしたら利回り4%以上は必要
上記のシミュレーションでも利回り4%で資産運用をしてみました。
利回り4%を目指したい理由としては、「4%ルール」というものをアメリカのトリニティ大学が発表したためです。
4%ルールは、資産運用だけで暮らすために利回り4%で資産運用を行います。
4%ルールは、資産運用額の4%未満を生活費として切り崩して行けば、30年以上資産が尽きることがないという内容です。
5000万円を4%で資産運用していけば、老後も必要な資金の心配をすることないでしょう。
貯金5000万円の投資方法は2種類
5000万円を資産運用する方法は、大きく分けて2種類あります。
資産運用を自力で行う場合と、投資のプロに資産運用を任せる場合です。
上記の資産運用方法には、それぞれメリットとデメリットがあります。
以下では、自力で行う場合とプロに任せる場合の特徴をそれぞれ見ていきましょう。
自力で資産運用する場合
自力で資産運用を行う例としては、株式投資や不動産投資などが挙げられます。
詳しい投資方法は、以下で解説しますのでぜひご覧ください。
自力で投資を行うメリットとしては、手数料などは一切必要ないため低コストで資産運用ができます。
投資かかる手数料は、毎年数%だとしても大きな出費になってしまうでしょう。
自力で行うことで、コストが抑えられれば最終的に大きな利益になります。
プロに資産運用を任せる場合
プロに資産運用を任せる場合は、手数料がかかりますが資産運用を完全に任せることができます。
つまり資産運用にかかる時間が省けるというわけです。
更にプロに資産運用を任せると個人では、達成は購入できない投資商品も運用してくれるため高い利回りが期待できます。
プロに資産運用を任せる時の資産運用は、手数料以上に利益を出してくれるかも知れません。
自力で資産運用を行うかプロに資産運用を行うかは、自分の投資経験や目指したい投資目標に併せて選ぶとよいでしょう。
貯金5000万円を年利4%以上で資産運用できる方法
ここからは、5000万円を年利4%以上で資産運用できる方法を紹介していきます。
以下の投資方法は、年利4%以上を目指すことが可能です。
自力で行える投資とプロに資産運用を任せる投資方法を紹介していますので、自分に合う投資方法を見つけてみてください。
ヘッジファンド
ヘッジファンドは、資産運用をプロに任せることができ、投資家がヘッジファンドの運用に多くの時間を費やす必要がありません。
ヘッジファンドは、ヘッジファンド専用の優秀なファンドマネージャー(資産運用をする人)によって資産運用が行われるため高利回りを目指せます。
またヘッジファンドの「ヘッジ」は英語で回避という意味をもつ。
つまりヘッジファンドはリスク管理も行われています。
ヘッジファンドのリスク管理は、個人の投資は購入することが難しい商品に分散投資することによってリスク回避が可能です。
ヘッジファンドは、投資金が1000万円からと高く設定されています。
ヘッジファンドは、投資金や手数料が高い分高い利回りが期待することが可能です。
ヘッジファンドは、退職金受領者など資金に余裕がある人が行うと効率的に資金を増やしていくことができるでしょう。
不動産投資
不動産投資は、不動産を購入して第三者に不動産を貸し出すことで、定期的に家賃収入を得ます。
不動産投資は、不動産が安い時に購入して、高くなった時点で売り払い差額を利益にすることもできます。
不動産投資のメリットとして、生命保険代わりになるということです。
投資家は、不動産ローンを利用する場合に団体生命保険に加入を勧められます。
つまり、不動産運用中に投資家が万が一のことがあっても保険が適用されるということです。
しかし不動産投資は、不動産探しから購入・運用までを自力で行う必要があるため不動産投資の経験や知識が必要でしょう。
株式投資
株式投資は、投資といったら株式投資を思い浮かべる人もいるのではないでしょうか?
株式投資は、会社が必要なお金を借りるために発見した株券を投資家が購入して運用するものです。
株式投資は、株券が安い時に購入し高い時に売り払い利益を得ます。
また株式投資は、株を購入すると株主となる。
株主は、会社から定期的にお金をもらったり、投資した会社から特典をもらったりします。
株式投資も不動産投資と同じように、購入や売り払う判断は自分で行わなければなりません。
株式投資は、リスクが高く、株式投資の知識が必要なため中級者向けの投資といえるでしょう。
投資信託
投資信託は、ヘッジファンドと同様にファンドマネージャーが資産運用を代わりに行ってくれます。
また投資信託は1万円から資産運用ができ、投資初心者でも始めやすい投資といえるでしょう。
投資信託は、1つのファンド(商品)投資をするとファンドマネージャーが世界中へ分散投資を行ってくれます。
投資信託は、分散投資をすることで簡単にリスク管理ができるというわけです。
投資信託は、どの投資信託で資産運用を行うかによって手数料に差があるため商品を選ぶ際は、注意しなければいけません。
投資信託の利回りは、ヘッジファンドと比べると低いですが、利回り4%程は狙っていけます。
貯金5000万円を資産運用するときの注意点
5000万円を資産運用するとき、失敗をしたくないと思うのは当然のことです。
資産運用を行うときの注意点を頭に入れておけば、失敗する確率も減らしていけるでしょう。
今回は、リスク管理の基本の2点を紹介していきます。
分散投資を心がける
分散投資は、投資のリスク管理の基本といえます。
投資の名言にも「1つのかごに全ての卵を盛るな」という分散投資をすすめる言葉があるほどです。
5000万円をすべで同じ投資をしてしまい、損失を出てしまったら大切に貯めた5000万円を一気に失ってしまうことになります。
投資を行う際は分散投資を行い、損失がでても他の投資でカバーできるようにしておきましょう。
また5000万円を全て投資に充てるにではなく、現金を残しておくことも重要です。
5000万円を資産運用する前は、資金を分けておきましょう。
余剰金で資産運用を行う
資産を分ける時には、生活費・10年以内に使う資金・余剰金に分けます。
投資を行う際は、余剰金で行いましょう。
投資を余剰金以外で行ってしまうと、生活に必要な資金が足りなくなってしまい精神的にも余裕がなくなってしまいます。
また自分の投資ができる資金を把握していないと、損失した時に冷静な対処ができない可能性もあるでしょう。
投資を行う前は、自分の資金をしっかりと分散しておくことが大切です。
(番外編)5000万円を1億円にするシミュレーション
5000万円を2倍の1億円にする方法を見ていきましょう。
年利4%で5000万円を資産運用に充てた場合約17年後には、富裕層になれます。
例えば退職金受領した60歳から資産運用を始めると、77歳には富裕層の仲間入りです。
資産運用を行っていると、子供や孫に十分な資産を残すことが可能ですね。
また資産運用を退職前から始めていれば、もっと早く達成できるでしょう。
まとめ:貯金5000万円あるなら資産運用すべき
今回は、5000万円の資産運用について見てきました。
5000万円を銀行に預けていても、損失のリスクがあるので、積極的に資産運用を行っていくとよいでしょう。
5000万円を資産運用に充てる際は、資産運用を自力で行えるのか?
プロに任せた方が利益が得られるのか?の判断が必要になります。
上記の投資方法を参考に自分に合った投資方法で資産運用を行いましょう。